季節(夏・冬)に応じた乳児の室内環境と睡眠環境
1.室内環境
夏
大人が快適に感じる温度も、乳児にとっては冷えすぎの場合が多いものです。室温は20~25℃くらいが適温です
エアコンと扇風機を併用して、室内の空気を循環させてあげれば充分です。ただ、風が直接乳児にあたらないように、エアコンの風向きは水平に、扇風機は壁や天井に向けて使うことが必要です。また1日中エアコン漬けにはせず、朝や夕方は窓を開け放して、自然な風にあててあげることも大切です
寝具は薄手のタオルケットかバスタオルをかけるだけで十分です。乳児は寝入りばな2時間くらいの間に一番汗をかき、そのままにしてやくと寝冷えの原因になりますので、寝入った後にそっと着替えさせるか、あらかじめ背中に汗とり用のタオルをはさんでおき、タオルを引き抜いてあげるといいと思います
真夏の夜は、乳児にとっても寝苦しいものです。汗に注意し、肌着さえきちんと着せてあれば、乳児がタオルケットをはねのけて寝ていても、心配する必要はありません。
夏は殺虫剤や蚊取り線香を使う機会が多い時期でもありますが、乳児のいる部屋での使用は厳禁です。また、乳児が立ち入ることのある部屋で、特にスプレー式の殺虫剤を使うときには必ず窓を空け、使用後も臭いが完全に抜けるまで換気をする必要があります。さらに、スプレーした場所は濡れ雑巾でしっかり拭き上げ、残留した薬品を残さないようにすることも忘れずに。虫除け対策としては、蚊帳が便利ですよ。
冬
冬場の室内温度は、20℃前後が適温とされています。大人には少し寒いと感じられる室温かもしれませんが、乳児は寒いと感じると手足を動かして体温を調節します。手足をじゅうぶんに動かし自律神経の働きを伸ばすためにも、温めすぎには注意する必要があります。
また、冬はもともと乾燥しているところに暖房を効かせるため、空気がカラカラになっています。乾燥は乳児の肌トラブルや風邪の原因になるので、2~3時間に1回は室内に外の空気を入れる必要があります(石油ストーブの場合は1時間に1回が目安)。洗濯物を室内に干して、湿気をプラスするのも効果的です。
石油のストーブなどをつけっ放しで寝てしまうと、火事や火傷や酸欠の原因になるので睡眠中に使うのは避けた方がいいでしょう。
寝具は大人と同じと考えれば問題ありません。寝冷えよりは、布団のかけすぎに注意する必要があります。乳児が布団から出てしまうのは暑過ぎる証拠で、かけ布団を少し減らしてあげるなどの工夫が必要です。
2.寝具
カバーやシーツは大変ですが、夏は毎日、冬でも3日に1度は洗濯をすることが望ましいと言えます。また、掛け布団カバーよりも、シーツのほうが汚れやすく、洗濯回数が多くなるので、1人当たり掛けカバーは3枚、シーツは4枚ぐらい必要となります。
布団は天気の良い日に、両面を干します。その際、側地の色あせや汚れを防ぐため、カバーやシーツでおおって干すとよいです。時間帯は、湿気の少ない午前10時~午後3時ぐらいに、片面約1~2時間干すのが適当です。ただ理想はこうですが、お仕事をしている方には難しいので、乾燥機にかけても問題なしです
綿布団は湿気を吸いやすいので、天気の良い乾燥した日に頻繁に干します。羊毛布団は湿気を発散しやすいので、綿布団ほど頻繁に干さなくてもよく、週に1回程度が目安となります。羽毛布団は頻繁に干さなくてもよいですが、2週間に1回程度は干した方がいいでしょう。合繊布団は側地を乾燥させ、わたのへたりを防ぐため週1回は干します。紫外線には殺菌効果があるので、布団の種類によらず、短時間でも直射日光に当てた方が効果的です。また、真夏は布団を取り込んでから、しばらくの間は部屋に広げておきます。すぐにたたんでしまうと、布団に熱がこもったままとなり、暑くて寝られません。真冬は日が陰るのが早いので、日のあるうちに干すことが必要となります
3.防水シート(おねしょシーツ)
特に布おむつを使う時には、布団のセットの仕方について 「①シーツ ②キルトパッド ③おねしょシーツ ④敷布団の順に重ねて使う」などと言われています。防水シート(おねしょシーツ)は体温を保持し、おむつから漏れて布団を汚すのを防ぐ為に使用するものですが、通常の睡眠で防水シートを使う必要はありません。夏はもちろん、冬でも背中があせもになる場合があり、きちんとおむつを補強すれば、そこまで漏れることはありません。また、乳児がグズル原因にもなります
乳児の体温を逃がさないように暖めるなら、適度な室温と加湿と、毛布や布団があれば十分です。
もしどうしてもおねしょシーツが欲しい場合は、綿100%のものを選ぶのがいいでしょう