地域型保育事業のまとめ
地域型保育事業について
「地域型保育事業」は平成27年4月に始まった「子ども・子育て支援新制度」において創設された事業です。
種類は「家庭的保育(保育ママ 利用定員5人以下)」「小規模保育(利用定員6人以上19人以下)」「事業所内保育(地域の子どもにも保育を提供)」「居宅訪問型保育」の4種類です。
都市部の待機児童対策や人口減少地域の保育基盤維持を目的とし、これまで認可外とされてきた保育施設などのうち、一定の基準をクリアした施設や事業などについては市区町村による認可事業として児童福祉法に位置付けられ「地域型保育給付」の対象とします。そのため対象となるのは待機児童の8割を占める、原則として3号認定を受けた乳幼児(0~2歳児)となります。
地域型保育事業は一定の基準を満たすことが必要なため、ある程度の質の確保は期待できます(ただし、認可保育所の基準よりは緩やかになっています)。
連携施設について
「地域型保育事業」としての認可を受ける場合には、「連携施設」となる認可保育施設を確保する必要があります。連携施設の要件としては、「給食の搬入(自園調理を行わない場合)」「嘱託医による合同健康診断」「園庭解放」「定期的な合同保育」「行事への参加受け入れ」「保育者が急病の際などの代替保育」「3歳の卒園後の受け皿」が主な内容となります。
「地域型保育事業」が必要となる地域の認可保育所は、待機児童解消のため定員を越えた児童が入園している状態が続いています。さらに保育士不足も深刻な状態です。そのような現状の中、新たな子どもの受け入れや、他の施設の支援まで手を回す余裕がない認可保育所も多いのが現状です。連携施設の確保が困難な場合には2019年度まで連携施設なしでも認可するという経過措置を設けられていますが、経過措置を認めるかどうかは市区町村が決めることになっています。
地域型保育事業の種類
家庭的 保育事業 |
小規模保育事業 | 事業所内 保育事業 |
居宅訪問型 保育事業 |
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A型 | B型 | C型 | ||||
保育所分園に近い | 中間 | 家庭的保育に近い | ||||
形態 | 家庭的な雰囲気の下で、少人数を対象にきめ細かな保育を実施 | 比較的小規模で家庭的保育事 業に近い雰囲気の下、きめ細 かな保育を実施 | 企業が主として従業員への仕 事と子育ての両立支援策として 実施 | 住み慣れた居宅(児童の家)において、1対 1を基本とするきめ細かな保育を実施(ベビーシッター) | ||
定員 | 3人まで ※家庭的保育補助者がいる場合は5人まで |
6~19人まで | 様々(数人~数十人程度) | 1対1が基本 | ||
職員数 (子ども) 対 (職員) |
0~2歳児 3:1 ※家庭的保育補助者を置く場合 5:2 |
0歳児 3:1 1~2歳児 6:1 +1名 |
0歳児 3:1 1~2歳児 6:1 +1名 |
0~2歳児 3:1 ※補助者を置く場合 5:2 |
定員20名以上→保育所と同様
定員19名以下→小規模保育A・Bと同様 |
0~2歳児 1:1 |
保育 従事者 |
家庭的保育者 (+家庭的保育補助者) |
保育士 | 保育士が1/2以上 ※保育士以外は必要な研修を修了した者 |
家庭的保育者 +家庭的保育補助者 |
必要な研修を修了した者 | |
設備 | 保育を行う専用居室 | (0・1歳児) 乳児室又はほふく室 (2歳児) 保育室 | ||||
同一敷地内に遊戯等に適当な 広さの庭※付近の代替地可 |
屋外遊戯場 ※付近の代替地可屋外遊戯場 | |||||
面積 | 1人3.3㎡ (部屋自体は9.9㎡が必要) | 乳児室/ほふく室→1人3.3㎡ 保育室→1人1.98㎡ |
乳児室/ほふく室/ 保育室→1人3.3㎡ | 定員20名以上→保育所と同様
定員19名以下→小規模保育A・Bと同様 |
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給食 | 自園調理 ※連携施設等からの搬入可 ※現在自園調理を未実施の事業から移行の場合、H31年度まで経過措置あり |
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連携 施設 |
連携施設の設定 |
家庭的保育者(保育ママ)とは
家庭的保育者とは「市町村長が行う研修を修了し、保育士と同等以上の知識及び経験を有すると認められる者で、保育を行っている乳幼児の保育に専念できる者、児童福祉法第18条の5各号及び第34条の20第1項第4号のいずれにも該当しない者」、また、家庭的保育補助者とは「市町村長が行う研修を修了した者」となっています(平成26年10月29日第5回子ども・子育て会議資料より抜粋)。
横浜市の家庭的保育者の募集対象者(H27)
満25歳から61歳以下の方で、以下のうちいずれかの資格もしくは、経験がある方。
ア.保育士の資格 イ.看護師の免許 ウ.幼稚園教諭の免許
エ.家庭的保育補助者の経験が1年以上(※)ある方
※1年以上とは…例)週1回の家庭的保育補助者の経験⇒5年の経験が必要となります。