運動あそびの指導ポイント
はじめに
保育の場面で何気なく行っている運動あそび(体操・基本の運動・マット遊び・とび箱・平均台・鉄棒・トランポリン・伝承遊び-鬼ごっこ・ボール遊び・なわ遊び・フープ遊び)について、「ねらい」「内容」「留意点」を端的にまとめてみました。
体操
ねらい
- 身体全体の筋肉や関節をほぐし、柔軟性を高める
- 心拍機能の活動水準を高める
- リズミカルに身体を動かす
内容
徒手体操、ラジオ体操、組体操、ストレッチング
※目的によって内容は変える
準備体操(warming up)
柔軟体操(stretching)
整理体操(cooling down)
補強体操(weight training aerobics)
ラジオ体操(利点)
- 年齢、性を問わず誰もが知っている→行事に利用可
- 運動の仕組みが整っている
- 準備運動の条件が整っている
- 部分から全体へ
- 末端から中心へ
- 心拍数の少ないものから多いものへ(負荷小→大)
幼児を指導する際の留意点
- 運動や遊びの導入として捉える
- 運動時の心構えとなる→集中力
- 準備運動の習慣づけ
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基本の運動
ねらい
- あらゆる運動の基本となる動きを正確に行うスピードやダイナミック性を加え動きをコントロールできる能力を身につける
- 動きを組み合わせ、新しい動きを発見し、動きを発見し、動きのバリエーションを楽しむ
- 仲間と一緒に競争やリレーを楽しむ
内容
歩く、走る、跳ぶ、転がるなど基本の動きとそのバリエーション
- 全員で行う
- ループで行う
- リレーや競争
幼児を指導する際の留意点
- 動きの特徴やポイントを捉えて動く。
- 単調な運動の繰り返しにならないよう変化をつける。
- リレーや競争では勝負にこだわり運動がきちんと行われないことがあるので気をつける。
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マット遊び
ねらい
- 転がる運動を中心に多様な動きを楽しみ
- 柔軟性を養い調整力を高める
- ※調整力
-
- 巧緻性→たくみで、細部まで行き届く
- 協応性→コーディネーション
- 敏捷性→動作がすばやい
- 平衡性→バランス能力
内容
- マット上でのいろいろな運動(歩・走・跳・這う・引く・押す)
- 転がる運動(前転・後転・側転など)
- 倒立
幼児を指導する際の留意点
- 安全点検をする(マット・幼児の衣服)
- 準備運動を十分に行う
- 技術、指導に片寄らない
- 繰り返し行い慣れる
- 危険を伴うので注意を促す(実施者・待機者)
- 間隔をあけて実施
- 待ち時間を長くしない
- 補助者をつける
- 準備、後片付けは協力して行う(マットなどは一人では片付けられないし、用意もできないので安全にみんなでやることが必要である。協力を養うためにも必要である。
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とび箱・平均台・鉄棒
ねらい
とび箱
跳躍力、瞬発力を高め高さ感覚やタイミング能力をを緩衝力を養う
平均台
平衡機能を高め、集中力、注意力をつける
鉄棒
筋力、筋持久力、協応性、逆さ感覚、タイミング能力、リズム能力などを養う
内容
とび箱
上にのる、降りる、跳び上る、跳び下りる、飛び越す
平均台
歩く[前、後、横]、ターン、ジャンプ、バランス[静止]、ゲーム
鉄棒
跳び乗る、ぶらさがる、越える、静止、移動
幼児を指導する際の留意点
- マットの場合と同様に安全面での注意を払う(器具の設置、衣服等)
- 繰り返し行い慣れること。特にやりすぎは疲労につながることや感覚麻痺になる怪我に注意。
- 待ち時間を短くする。
- 補助者をつける。
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トランポリン
ねらい
- 空間における姿勢維持、バランス能力を養う
- 通常の跳躍とは異なる跳躍の仕方を学ぶ
- 全身の筋力、動きの変化のタイミングをつかむ
内容
- 歩く、踏み込み
- 飛び上がる
- ジャンプ(ジャンピングジャック・ジャックナイフ)
- ニードロップ
- シートドロップ
幼児を指導する際の留意点
- 設置、安全点検を十分にする
- 床(ベッド)に上に慣れることから始め、いきなり飛び上がらない
- トランポリンからフロアへ飛び降りることは厳禁!
- 準備運動を十分に行う。特に関節、ストレッチ
- 補助者をつけ1人では絶対に行わない
- 最少人数は5名
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伝承遊び 鬼ごっこ
ねらい
- 遊び文化を伝える
- 集団で楽しく仲良く遊ぶ
- 集団遊びにおけるルールを知る→社会のルールを知る
- 環境とのふれあい(季節、自然などに気づく)
内容
- 鬼ごっこ
- 各グループでオリジナルな鬼ごっこを考えみんなで行う。
幼児を指導する際の留意点
- 特定の子がいつも鬼にならないようにする。
- グループ対抗の場合(グル-プ間の力量が均等になるように配慮)
- 1回の遊び時間が長くなりすぎないようにする。
- ルールは子ども同士で決め、守るように指導する。
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ボール遊び
ねらい
- ボールの特性を生かした運動を全身を使って楽しく遊ぶ。
- ボールを扱う力や動作のコントロールを知る。
内容
- 投げる、転がす、受ける、蹴る、つくなどの基本の運動
- 一人で行う、二人で行う、グループで行う
- ゲームや競争で行う
幼児を指導する際の留意点
- あらゆるボールゲーム(スポーツ)の基本となる運動であるのでボールを楽しく扱う工夫をする。
- 集団遊びを行うことが多いのでルールや役割を決め、みんなで楽しく遊べる工夫をする。
- ボールを追うことに夢中になり周辺の子どもに目がゆき届かないことがあるので注意する。
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なわ遊び
ねらい
- なわを使っていろいろな身体の動かし方を楽しむ
- なわの動きと身体の動きのタイミングをつかむ
- リズミカルに跳ぶ楽しさを味わう
内容
- なわを使った体操(伸ばす・曲げる・くぐる・引っぱる・まわす など)
- なわとび(1人とび・2人とび)
- 大なわとび
- なわとびゲーム
幼児を指導する際の留意点
- 跳ぶことよりもなわを扱うことから始める。
- 回したり跳んだりする時、周囲に人がいないか注意する。
- 体に巻きつけることは禁止(特に首には注意)。
- 1人とびの場合、なわの長さを身長に合わせてカットする。
- あとかたづけを徹底する。
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フープ遊び
ねらい
- 輪の操作によりいろいろな動き方を知る
- 手のコントロール(巧繊性)を身につける
- 友達と一緒に新しい遊びを見つけ楽しむ
内容
- 1人で操作する、2人で遊ぶ
- たくさんのフープを使って遊ぶ
- リズム遊び
- みたて遊び
- ゲーム
- 競争 など
幼児を指導する際の留意点
- 思いがけない方向へ転がったり跳んだりするので広い場所で行い周囲の子どもにも注意する。
- フープの大きさは大中小あるので身長に合わせた大きさを使用する。
- ひっぱりすぎると壊れることがあるので注意する。
- 年少時の場合、回す、投げる等の運動力より、くぐる、みた て遊びのようなことから行う。
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