特別支援教育の在り方に関する特別委員会議事録(抜粋)
特別支援教育の在り方に関する特別委員会議事録(全19回)より気になったところを抜粋し、疑問に感じたところに下線部をつけたものです。
第1回
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
その中で今回一番発言したいのは、インクルーシブ教育システムといったときに、特別支援学校はそのシステムの中で機能していると、今、一応考えています。といいますのは、一人一人のニーズに応じたきめ細かい教育をし、最大限能力を発達させること、そして、共生社会への実現に向けて進路指導、初等教育等も充実させて社会に送り出す、そういう教育を実践しているわけですから、このインクルーシブ教育システムの中に特別支援学校はあるんだと考えております。
【河本委員 全国特別支援学級設置学校長協会会長】
先ほどの特別支援学校の校長先生のほうからありましたけれども、我々設置校としても、インクルーシブ教育の制度のシステムの枠内で、今まで教育が行われてきたと自負しております。それぞれの障害がある子どもの障害の状況だとか、あるいはニーズに対して彼らの将来的なことを見通した自立と社会参加を視野に入れた、きめ細かな、そして、少人数による指導が各学級の中で行われてきました。そのためには通常学級にはない教育課程を編成して、例えば自立活動だとか、あるいは日常生活の指導であるだとか、あるいは生活単元学習であるだとか、遊びの指導を通しながら、共生社会の中で子どもたちがどういう地位を築いていくかということを視野に入れながら、小学校、中学校で指導を行ってきたということが現状でございます。
【佐竹委員 全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会事務局長】
「障がい者制度改革推進会議」の第一次意見、いろいろなものを拝見させていただきまして、親御さんたちは、この推進会議の中で特別支援学校が廃止と、席上でコメントが出ましたことで、大変驚いたというのが実態でございます。学校がなくなってしまうのかということで、今でも私の事務局のほうに、「佐竹さん、どうなっているんですか」というようなメールが届くことがあります。中には、学校がなくなってしまうという恐怖感さえ思い浮かべるという親御さんの切実な声が届いております。そういう極端な議論にはもちろんならないようにと願ってはおります。
た、現場の先生方の困難な状況もぜひ見ていただきたい。子どもたちの多様な障害もぜひ見ていただきたい、御理解いただきたい、その上での議論を重ねていきたい。お話ししたいことはたくさんあるんですが、お時間がということですので以上にさせていただきます。ありがとうございます。
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第2回
【中澤委員 国立特別支援教育総合研究所企画部上席総括研究員】
2つ目は、特別支援学校に在籍している子どもの率です。イギリスは約1%、アメリカは約0.3%、そして日本は0.6%。すなわち数値的に日本は世界的に見ても低い部類に入ります、特別支援学校の在籍率が。しかしながら、これだけをもってしてインクルーシブとは言えないと思います。それは就学基準、それから通常学校に障害のある子どもが在籍しているときの支援が不足しているということから言えないと思います。
【佐竹委員 全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会事務局長】
養護学校から特別支援学校とかなり全国的に学校編成があり、名称を変える学校が増えています。でもこれは学校の名前を変えるための法改正ではなかったはずです。そこのところをもう少し、中身の充実というところ、それによって通常の学校へのセンター的機能を使った支援の仕組みなども見直していただきたい。まだまだ十分ではありません。
【久松委員】
盲学校、聾学校が減っている。一般の特別支援学校が増えています。これを就学選択のときにどう見るのかということです。
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第3回
【大南委員 全国特別支援教育推進連盟副理事長】
早期からの教育相談についてです。これは教育関係者だけではなくて、特に福祉の関係者を含んだ複数での相談をしていく必要があるのではないか。既に保育園であるとか通園施設の方の相談を、教育相談と、それから福祉の関係の方がペアになって相談をしているところもあります。そして、特別支援学校のセンター的機能をこの中に位置付ける必要があるだろうと思います。
【太田委員 品川区立鈴ヶ森小学校長】
お子さんの授業時数の問題や教育課程上の位置付けの問題などがあったり、もう少し具体的に言いますと、両校でどのような時間割にするかというような調整もありまして、理想はあっても現実的には、交流及び共同学習を進めていくことにはまだまだ課題があると感じています。
【奈良県教育委員会山本室長補佐】
本来特別支援学校へ行く子どもを地域で受け入れる際は、通常の学級に在籍するというのは考えにくい。やはり、特別支援学級に在籍するのであろうと考えています。特別支援学級では特別な教育課程によることができるわけですから、そこで十分に対応をしていると。
【太田委員 品川区立鈴ヶ森小学校長】
特別な指導」の教育課程上の位置付けを明確にする学習指導要領の改訂ということです。これは、「特別な指導」、いわゆる自立活動の指導の位置付けだけでなく、先ほど少しご紹介した副籍の実践における特別支援学校の教育課程と小学校の教育課程の違いによるその実施の難しさというようなことも含めて、今後このようなノーマライゼーションの体制がとれるときには、やはりまず学習指導要領もその実施に向けて改訂をしていただきたいと思っています。
【中村委員 NPO法人若駒ライフサポート理事】
入学時に特別支援学校の選択が適当であったとしても、その方の成長の過程の中で地域に戻ることが適当となったときにはスムーズに地域に移行できるような、前の段階の討議の中で行われていました転学の相談のスムーズ化というのは大変重要なものではないかと思います。もう一つ、いくら特別支援学校の教育が必要だといっても、やはり地域の子どもとして育てたいという保護者の思いがあります。
【大南委員 全国特別支援教育推進連盟副理事長】
委員の皆様は、現在の知的障害の特別支援学校の校舎をご存じですか。窓はどうなっています?10cmしかあかないですよ。これについては、幼稚園から高等学校まで全部直していかないと。バリアフリーの前にもとへ戻していく。窓があかないようにしなければならない。
【河本委員 全国特別支援学級設置学校長協会会長】
特別支援学校教諭免許状は特別支援学級の教員だけが持っていればいいという問題ではないと私は思っています。
【北住委員 療育センターむらさき愛育園長】
この医療的ケアが必要な子どもだから特別支援学校が必要というわけではないと思います。
医療的に重度だからというだけで特別支援学校でなければならないということはなく、場合によっては通常の学校の場でも進められるべきで、そのための柔軟な体制を進めるべきと思います。
【清原委員 三鷹市長】
特別支援学校あるいは特別支援学級の実践が、もちろん課題はあるとは思いますけれども、それなりに障害当事者の児童生徒に寄り添いながら実績を重ねてきたということがあると思います。したがいまして、保護者、当事者の中にも、この特別支援学校や特別支援学級ではない制度を直ちに求めるという声が極端に多くはないというか、そういう状況もあると思います。
【乙武委員 作家】
特別支援学校教諭免許状で習うべき大方の知識というのは通常の教員も学んだ上で教員になったほうがいいのではないかなということを感じています。
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
特別支援学校、今センター的機能を果たすということで、これからインクルーシブ教育システムの中では重要な役割を果たすことが求められるだろうととらえていますので、その専門性の向上も取り組まなければいけないだろうということです。
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第4回
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
基本は、特別支援学校独自で、各学校で、自校で専門研修を継続してやっていくというのがまず基本だろうと思います。
【山岡委員 日本発達障害ネットワーク副代表】
国連の障害者の権利に関する条約に基づいて、インクルーシブな教育制度、あるいは合理的配慮というのが求められており、それは特別支援学校のみならず、通常の幼稚園、小・中学校等においても求められております。特別支援教育の確かな専門性の向上のためには、こういった人材の配置というのが特別支援学校だけではなく、通常の幼・小・中・高にも必要だということがあります。
【太田委員 品川区立鈴ヶ森小学校長】
特別支援学校の免許状が必ず必要なのかどうかということについては、私は校長として少し疑問を持っているところです。
【渡辺立教大学大学院教授】
特別支援学級、特別支援学校で行われてきている自立支援とか、職業教育とか、職場体験とか、そういうものはさらに発展し、進化していかないといけない。
【中村委員 NPO法人若駒ライフサポート理事】
特別支援学校と特別支援学級、もしくは地域の通常級における支援という部分の専門性というのが二分化されていたように私は聞き取れましたが、現実には今の特別支援学校の中には高発生率の発達障害を中心とする支援をとても必要とする生徒さんの数が高等部を中心に大変増えています。ですから、私は、特別支援学校においても、この部分の専門性が担保されないというのは、ある意味、危機的状況ではないかなと感じていますので、決して分けることなく、あわせて論議をいただけたらうれしいなと思います。
【杉山委員 浜松医科大学児童青年期精神医学講座特任教授】
むしろ将来、どんなぐあいになるのかという目がないといけないわけです。私、実は特別支援学校の1つの役割というのは、そこにあると考えておりまして、高等部で将来の自立につながる子どもたちを見た上で、だんだんと遡るというか、若いほうに自分の教育の実践を重ねていくということが非常に必要で、それをさらに先ほど宮﨑委員長 東洋大学文学部教授が言われた幼児教育まで遡らせたいんですね。早期療育にまさる治療法というのはありませんので、そういう視点が必要かと思います。
【石川委員長代理 静岡国際大学国際関係学部教授】
インクルーシブ教育と特別支援学校のコラボレーションという意味においてもそうだし、ロールモデル、あるいはピアグループの中に参加する体験がインクルーシブ教育の中で勉強していても体験できるとか、さまざまな多元的なメリットがあるのではないかと考えています。以上です。
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第5回
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
障害の程度等に応じて特別の場で行う特殊教育から、一人一人の教育的ニーズに応じて適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育への転換を図ることとし、そのために児童生徒数の量的な拡大、障害の多様化、重複化への対応、関係機関との連携、小・中学校等への支援を特別支援学校が行う、そんなことが必要になってきたということが、この「個別の教育支援計画」を策定する背景となっていると説明しています。
特別支援学校を含むインクルーシブ教育システムは、地域の中で特別支援学校がこのような役割を果たしていく中で実現すると私は考えています。したがいまして、インクルーシブ教育システムの議論の中で、関係機関との連携で地域社会をつくっていくという議論も当然必要だろうと思いますし、その具体例として、「個別の教育支援計画」の策定の在り方について出させていただきました。
【佐竹委員 全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会事務局長】
子どもたちの学籍をすべて通常の学校に置いてしまうと、特別支援学校の設置義務がなくなるのではないでしょうか。
【北住委員 療育センターむらさき愛育園長】
この特別支援教育が進んでくることによって、通常の学級での対応、通常の学級に通っているお子さんが通級に行って、そこでフォロー・サポートを受けるという対応、それから、やむを得ない場合には特別支援学級、あるいは、もう初めから特別支援学校でのいろんな対応が、まだまだ不十分でありますけれども、かなり改善してきているということをある程度共通して評価しています。
【品川委員 教育ジャーナリスト】
何らかの偏りがある児童生徒たちが少なからず通常の学級内にも特別支援学級や学校内にもいるのだという理解は、インクルーシブ教育を推進していく上では特別支援学校や学級は当然のことながら、通常の学級の先生方、あるいは管理職の方、それから学校職員の方々全員に必須の知識として持っていただかなければなりません。
【石川委員長代理 静岡国際大学国際関係学部教授】
この権利条約における基本的な考え方は何かというと、集約すると合理的配慮、社会モデル、インクルージョンということだと思います。一挙に100点満点ということは不可能な話ですけれども、100点でないものは0点だということではないので、私たちはインクルーシブ教育に向けて短期的に何点取れるのか、中期的に何点取れるのか、長期的に何点取れるのかという目標を設定して、それを国際社会に対して示していくという、それによってモニタリング評価を受けるという、そういう枠組みになっていると私は理解しています。特別支援学校も、その意味でインクルーシブ教育の中に位置付け直されるべきもの、統合されるべきものとして、その存在価値は失われないのみならず重要です。
本人もしくは本人に一番近いところにいる他者としての親の同意、これが必須条件です。十分に話をして、専門家、さまざまな立場からアドバイスをして、アシストして、親は判断する。地域の学校は歓迎する、それから特別支援学校も歓迎する。みんなが歓迎し、肯定し、承認しているという中で、親は冷静に自分の子どもにとってどちらがいいかを一番よい条件で選択できる。
【大久保委員 全日本手をつなぐ育成会常務理事】
認定就学者というのはあくまで例外である。つまり、地域の小・中学校に行くことが例外であって、原則は特別支援学校だという形は、実態とすればもう既に変わっている。そういうことでいくと、これはやはり直すのが妥当だということだと思います。決してどこがいいということではなくて、いわゆる選択肢はそれなりに現状において当然幾つかあるわけですから、その中で最も適切だと思われるところを選んでいく。
親の同意というのを前提にしながらも、決定権が国にあるとしたら、それは国の責任というところにも片方でなりますし。ですから、その辺のところはどう考えるのかなというところは、私も、まだ十分整理されていないというところです。
【山岡委員 日本発達障害ネットワーク副代表】
我が国で特別支援学校とか特別支援学級とかいうものがインクルーシブ教育の中で必要なのか、あるべきなのか、あるいは国連のこの権利条約の中で認められているのか、認められていないのかという議論をするときに、他国での状況とか検討状況というのは参考になるだろうと思います。
【中澤委員 国立特別支援教育総合研究所企画部上席総括研究員】
アメリカは、ニーズという言葉は使っておりませんが、子どもたちのニーズに対応するために教育サービスの場の連続体を確保するという文言が法律の中に明確にあります。
イギリスについても、特別支援学校は制度の中に位置付けてあると明確に記しています。
親の希望に応じて対応できるように維持しているということが明確に記されています。
インクルーシブな教育システムというのは、単に通常の学級に入れるということではなくて、そこで適切な支援があったり、あるいは、仕組みとして多様な子どもに対応できる柔軟な制度になるということがインクルーシブな教育制度だと思います。
特別支援学校が入った形で、ただしインクルーシブな方向に漸進的に向かっていくという理解の上でやっていくべきものだろうと私も理解しています。以上です。
【太田委員 品川区立鈴ヶ森小学校長】
認定就学者のような子どもたちへの対応に、ぜひ特別支援学校からより積極的に支援をしていただけたらと思っているところです。例えば、副籍というのを小・中学校は受けておりますけれども、認定就学者の籍を逆にそれぞれの特別支援学校が受けて、そして、それを例えば訪問学級のような形でカウントして、きちんと教員をつけて、そして、その認定就学者のほうに特別支援学校のほうから支援に行ったり、あるいは教材や教具を補助していただく、そんなようなことも1つあるのではないかと思って、そのようなことも御検討いただけたらと思います。
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第6回
【山岡委員 日本発達障害ネットワーク副代表】
現在の制度は、特別支援学校があって、特別支援学級があって、通級による指導があって、通常の学級がありますが、そのところの連続性は少し欠けるのではないか、落差がすごく大きいのではないかということが言われてきました。
【大南委員 全国特別支援教育推進連盟副理事長】
特別支援学校のセンター的機能は書かれているわけですけれども、実は、市町村の中で、特別支援学級の担当教員がしっかりしているところは、市町村の中でセンター的機能を果たしているわけです。まとまりが非常によくできている。
【杉山委員 浜松医科大学児童青年期精神医学講座特任教授】
特別支援学校は、小学部は非常にニーズが少なくて、中学部で少し膨れて、高等部で膨れ上がって人が入れないぐらいの、自閉症にとっては気の毒のような環境になってしまっている。これは逆三角なのです。むしろ、小学部できちんと個別のことをやっていって、だんだん大きなグループに入っていかれるようにしていくというのが本来のインクルージョンだと思いますので、インクルーシブ教育というのは混ぜることではないので、あえて、心配になって、カスケードが分かれていくのではなくて、個々の支流がだんだん1つの川になっていくというイメージの図にしていただけたらということで懸念を申し上げます。
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
関係機関との連携や学校クラスターによる構築など、自立社会参加も含めた共生社会システムということが書かれていまして、その中に特別支援学校も当然入っていると思っています。
【中村委員 NPO法人若駒ライフサポート理事】
特別支援学校という教育制度は絶対になくなってもらっては困るし、とても重要であるということとあわせて、それでもやはり地域の中で、地域に密着した教育を受ける方向性は必要であるという意見が多かったと思います。
【新藤委員 全日本中学校長会会長 全日本中学校長会会長 全国心臓病の子どもを守る会会長】
特別支援学校のセンター的機能のところですけれども、教職員の専門性の確保は、ほとんど研修でと書かれていると思いますが、今でも教職員の多忙感というのは非常に大きいものがあります。この教職員が、特別支援教育のお子さんのために研修に通いながら、あれもこれも守備範囲を広げて1人でやっていくのは大変困難ですので、やはり、支援員の活用や教員の人数をもう少し増やすということがバックにないとつらいものがあるので、書き加えていただきたいと考えています。
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第7回
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
地域によっては特別支援学校が近くにないという地域もあるということを考えますと、特別支援学級もセンター的機能を得るような仕組みを入れたらどうかということです。
【新藤委員 全日本中学校長会会長】
東京都では、新規採用教員の初めての異動の場合は、特別支援学校なり特別支援学級への異動が、採用段階で義務付けられているわけですけれども、このあたりは積極的に考えていいのではないかと思います。
【中澤委員 国立特別支援教育総合研究所企画部上席総括研究員】
小・中・高等部、特に高等部において特別支援学校への希望する子どもが増えているという事態です。これは前回の幾つかの資料にもあったと思いますが、特別支援学校の高等部、あるいは高等部だけの学校に希望者が非常に増えている。それを考えて整理していかないと、「増えたから設備を増やしてしまう」ということを急速に進めてしまうと、比較的低い分離型の学校に入っている率の低い日本が、障害者権利条約の批准とともに、その率が高まっていくという統計的な問題も生じる可能性があると思います。この中には、もしかしたら通常の学校での支援がより高まれば、このように特別支援学校に行く希望というのは減る可能性もあるのではないかと感じているところです。
ちなみに、日本ですと、通常の学級に親は行かせたい、でも行政側としては特別支援学校に行かせたいという対立を想定するのが普通ですが、インクルーシブな教育制度が進んだ国々で生じる親と行政局との間での就学先の配置に関する問題は、より支援、より多くのお金をもらえる特別支援学校に親は通わせたいと思っても、障害が軽度なために通常の学級に通わせるという事例がとても多いです。
【佐竹委員 全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会事務局長】
専門性の教育の充実した特別支援学校、特別支援学級を選ぶ親御さんも同じです。就学先の選択はだれのためであるのかということを前提に考えていただけたら、一番よろしいのではないかと思います。
【新藤委員 全日本中学校長会会長 全日本中学校長会会長 全国心臓病の子どもを守る会会長】
区市町村レベルで専門性の確保は困難だと思うからです。国の機関で全国に1箇所だけではなく、地域の中で経験を積み重ねながら、調査したり研究したり、あるいは、特別支援学級や通常の学級に行きつつ経験の蓄積をしていけるような、実際に役立つような、そういうノウハウを蓄積して、私どもに提供していただくというセンター的な役割を特別支援学校が持って欲しいと思います。
【中村委員 NPO法人若駒ライフサポート理事】
その生徒の障害特質の中で、一時的に特別支援学校が必要だったのかもしれません。けれども、その子どもたちを安易に特別支援学校の中に送り込んでしまっている現状は、やはり私は見直すべきと思っています。
その環境の中だから学べるものがやはり別にあるのだと思います。知的に重いからといって、それによって教育を受ける権利が損なわれるというのは、やはり間違っていると思います。
【北住委員 療育センターむらさき愛育園長】
特別支援学校の生徒が増えてきているというのは、結局、今の先生方の力も落ちている、それから、障害があると診断がついていない子どもでも生徒の状況が難しくなっている、家庭の状況が難しくなっている、そういう教育総体の難しさがある中で、障害のあるお子さんをもう見きれない状況がある。
【太田委員 品川区立鈴ヶ森小学校長】
特別支援教育の専門性が高ければ、保護者はおのずから専門性のある特別支援学校や特別支援学級、あるいは通級による指導を選択しているという現状がもう既にあるということです。
【乙武委員 作家】
途中から特別支援学校や特別支援学級に移って勉強していくということも、もちろんあるとは思います。でも、その際の保護者の思いというのは、初めから通常の教育を受けさせたかった、通常の学級で学ばせたかったという思いを、忸怩たる思いを抱きながら、最初から市区町村の教育委員会の判断によって特別支援学校・特別支援学級で学ぶことになるのとでは、大きく違ってくると思います。
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第8回
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
社会をつくる上で、インクルーシブ教育は非常に役割が大きいし、それは特別支援学校だけ、あるいは学校教育だけでは多分できないものだろうという観点です。
【石川委員長代理 静岡国際大学国際関係学部教授】
エクスクルーシブな社会、障害者をエクスクルードする社会というものにおいては、排除と分離という社会環境の中で特別支援学校がつくられてきたという歴史的な事実、これは否定しがたくあると言えると思います。しかし、結果的に、そこから教育の専門性とか、仲間集団が形成されて、そこでエンパワー機能を図らずも果たしてきたという面もあります。したがって、特別支援学校は両義的な存在であるということが言えます。
障害者をインクルードする理想的な社会における特別支援学校の存在理由は何かというと、やはり個別ニーズに対応する専門性と仲間集団です。ただ、特別支援学校が存在するだけではそのような機能は担えません。更なる充実と新しい役割の引き受けが必要であるということを先ほどの提言は述べております。つまり、障害者をインクルードする社会においては、もはや特別支援学校には排除や分離といったような社会的機能は担わされていないはずだということです。
【佐竹委員 全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会事務局長】
通常の学校で十分頑張れるであろうお子さんを特別支援学校に入れてください、特別支援学級に入れてくださいという親御さんが、現在でも増えています。色々なことの中で混乱も起きているのも実態ではないかと思います。そういった場合において、保護者が「こちらがいい」と言ったらそれで決まるという制度では、特別支援学校が満杯になってしまうという現状があるのではないでしょうか。
【品川委員 教育ジャーナリスト】
特別支援学校は孤立した存在だと思い知ることがたびたびです。その学校が特別支援学校だとは知っていても、子どもたちがバスで通っていたりすれば地域の人たちからしたらどこか遠い存在です。
【山岡委員 日本発達障害ネットワーク副代表】
特に発達障害のお子さんについてはそういうお子さんが多いのですけれども、そうすると、今の制度だと特別支援学校の指導方法に準じてやる教育が通常の学校における特別支援学校教育になっていますけれども、もうそういうことではないと思っています。
【中澤委員 国立特別支援教育総合研究所企画部上席総括研究員】
特別支援学校に入れば、子どもの障害が重い、軽いにかかわらず、その人数に対して費用がつくとなると、やはりより多くの支援を求める親は、お金がいっぱいつくところに入れたがると思います。「場」にお金がつく資源配分であると、こういうことはなかなか防げないのではないかと思いました。
特に日本では、特別支援学校への移動にはあまりハードルは高くないですが、反対は高いですけれども、こういう現状が今、起きつつあるだろうと思いました。
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第9回
【品川委員 教育ジャーナリスト】
最近、知的障害の子どもさんたちを受け入れる特別支援学校の校舎が足りないと報道もされております。
通常の学校で学ぶべきであるような子どもたちが、軽度の療育手帳を取得して在籍していたりするような実態もあります。
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第10回
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第11回
【清原委員 三鷹市長】
東京都の副籍の事業の中で、子どもたちがしっかりと東京都の特別支援学校に通いつつ、地域の学校にも居場所を持って、地域によって支えられつつ、自分自身も役割を果たして、その自己の尊厳を確認できるという取組を今後も目指していきたいと考えているところです。
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第12回
【中澤委員 国立特別支援教育総合研究所企画部上席総括研究員】
特別支援学校を含めた障害種別の合理的配慮は、是非整理する必要があると思いました。と申しますのは、通常学校などでも行う配慮が、特別支援学校等で根拠がある、それによって生徒が安心して力を伸ばせるという根拠があるものであるということをきちんと整理する必要があるためでもあります。
【久松委員】
特別支援学校でやっているような学校教育環境の整備というものは、私ども聞こえない立場、また視覚障害者等の立場から情報アクセスについて見ますと、一般学校に比べれば整備されていると思います。
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
特別支援学校の教員は発達障害等、それから各障害にも両方対応できるという方向性で専門性を向上させていくというのが、特別支援学校のセンター的役割のことを考えれば当然必要かなと思います。
【河本委員 全国特別支援学級設置学校長協会会長】
特別支援学校教諭の免許ではなくて、もう少し軽いというのは、表現があんまり良くないかもしれませんが、特別支援学級に適した免許といいますか、そういった免許制度があれば良いと感じています。
【清原委員 三鷹市長】
特別支援学校や特別支援学級ではなく、通常学級にインクルーシブ教育という形で障害のある児童生徒が入ってくるときに、理念だけではなくて、具体、実態の中でどう対応できるかといったときに、今日整理していただいた論点というのはきっと需要になってくるのではないかと思います。
【品川委員 教育ジャーナリスト】
フィンランドの子どもたちの結果が良かったのは、成績が低学力群の子どもたちがOECD平均より少ないからだ、ということでした。ではなぜ低学力群の子どもたちが少ないかというと、読み書き障害や算数障害等LDの子どもたちの指導を早期から通常学級の中でも取り出してでも徹底してやっている、つまり個々の子どものニーズに応じた指導を徹底する特別支援教育に力を入れているから、PISAのデータが良かったと思っているというというようなことをおっしゃっておられました。
特別支援学校、それから支援級の先生方の専門性ですが、これは先ほど尾崎委員もおっしゃっておられましたが、免許保有は義務付けしていただきたいと思っています。河本委員がおっしゃったように、二つの免許にするかどうかは、議論が分かれるところだろうとは考えますが、ここで先生方の専門性が担保されなければ、私たちがこの会議で言っている多様な学びの場が担保されないだろうと考えます。
【山岡委員 日本発達障害ネットワーク副代表】
現状の特別支援学校教員免許状ではなくて、是非特別支援教育の免許状にしていただきたいと思います。
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第13回
【大南委員 全国特別支援教育推進連盟副理事長】
特別支援学校と特別支援学級の交流及び共同学習は、設置者が異なるため、課題も異なります。
同じ学校ですから、交流及び共同学習というのは日常的に当たり前にできるはずと考えています。
特別支援教室の構想の基本は、特別支援学校は別ですが、特別支援教室へ行く子どもも、その学校に籍がある子どもです。だから、専科の授業とどこが違うのかと言うと、違いません。
【清原委員 三鷹市長】
特別支援学校のみセンター的機能を果たすというのではなく、特別支援学級のある学校及び特別支援学級そのものがセンター的機能を持ち得るというふうに私は位置づけることもできると思います。ただ、これも、各自治体及び地域の特性に合った展開をしていく必要がありますし、その地域の資源によってセンター的機能を都道府県立の特別支援学校が担う方がより有効な場合もありますし、きめ細かく果たせる場合には、今、申し上げました特別支援学級のある学校が担うということもできるのではないかと思います。
【品川委員 教育ジャーナリスト】
特別支援学校ほど地域密着型、より地域運営学校でやるべきだとすごく感じていて、三鷹市や京都なども支援校がコミュニティースクールになっていますが、やっぱり地域で生きる子どもたちですから、教育資源だけでなく、社会資源を生かしながら、いかにその場、いろいろな人がその子どもたちのことを知るというようなシステムに変えていく必要もあわせて考えていく必要があるだろうと思っています。
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
特別支援学校側からの視点でのお話をしたいと思います。当然、居住地交流に行くということは行っていますが、保護者の負担が多いという声も聞かれます。それから、成果も非常にあるということは十分です。今度は逆に、特別支援学校に来ていただいたときの成果もかなりあるというお話をしたいと思います。
地域の中に特別支援学校のいろいろな機能ができる基地みたいなものを一緒になって地域の中でつくって、それを小中学校のセンター的機能を果たす中で一緒に活用できるような、そういうシステム作りをトータルとして考えていく方が、共生社会の実現にもつながるのではないかと私自身は考えています。
【杉山委員 浜松医科大学児童青年期精神医学講座特任教授】
特別支援学校のセンター機能とか副学籍による交流が話題になっているのですが、これは全国ではないと思うのですが、私がよく知っている愛知県とか静岡県の特別支援学校というのが非常に遠いです。来るなというようなところにあります。
【宮﨑委員長 東洋大学文学部教授】
非常に地域から離れたところに、陸の孤島のようなところに特別支援学校があるのはどうすべきかということをやっぱり言っていかなければいけないのだろうと思います。
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
特別支援学校の教員免許の義務づけですが、基本的には私は賛成をしたいと思います。
【品川委員 教育ジャーナリスト】
特別支援学校教諭の免状を取るときに、私は何のメジャーかということをやっぱり打ち出す必要があると考えます
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第14回
【乙武委員 作家】
正に先ほど中村委員 NPO法人若駒ライフサポート理事がおっしゃったように、その子どものことを全く知らない専門家が話して決めたことに親は納得できるのかというところに僕は本当に同感で、実は僕もこの件に関して取材をしたことがありますけれども、やはりその当該の子どもに一度も会ってもらえないまま決定がなされたというケースが幾つもあって、やはり「そこはすごく納得がいきませんでした」という保護者の声がとても多かったです。
同じような障害、同じような状況であっても、例えばその子の性格によっても、例えば通常の学級でやっていくことができそうなのか、やはり萎縮してしまうタイプだからちょっと特別支援学校で最初はスタートした方がいいのではないかとか、いろいろな違いが出てくると思うのです。
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
就学先決定に当たっては、それ以前にいろいろなやりとりが保護者と学校関係者、教育委員会とあった上で決まっていくのだろうと思います。その中に一つは、やっぱり「合理的配慮」も含めた有り様、どうのような学校生活になっていくのかということを共有していく、それから探っていく、どういう方法で教育していくのかということをお互いに話し合っていく、そんなことがなされた上で、それでもなおかつ最終的に決裂した場合というようなことだと思うのですが、その過程を非常に大切にすべきではないかと思います。
【石川委員長代理 静岡国際大学国際関係学部教授】
印象なのですけれども、今まで調整ということで暗に想定されていることは、主として親への説得ということで、最初からいわばそこに特化したような形になると、そこで本来の意図とは違ってくる可能性もあると思います。
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第15回
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
ワーキンググループでは、特に通級による指導、特別支援学級、特別支援学校についてですが、それぞれの学びの場において合理的配慮を行うことは必要かどうかが議論となり、やはりそれぞれについてそういった視点、観点は必要であると整理いたしました。ただ、合理的配慮はそれぞれの学びの場の共通的環境整備を前提とした上で提供されるため、それぞれに提供される合理的配慮が異なった形となろうかと思います。
【横井特別支援教育企画官】
日本労働組合総連合会生活福祉局長の伊藤委員から、15ページの2行目からですが、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校の設置は、基礎的環境整備として行われているということからすると、通学先として特別支援学校等があることをもってして合理的配慮をしていることにならないということでよいか。私立学校については建学の精神と公平性といったような観点とのバランス、どちらが優先されるべきかということはよく問題になると思うが、この障害児の考え方については、建学の精神との関係は完全に乗り越えて、インクルーシブ教育が全ての学校について、初等中等教育は行うのだということがきちんと共有されているのか、といった御意見がありました。
【大南委員 全国特別支援教育推進連盟副理事長】
教職員の確保と専門性の向上で、私は、幼、小、中、高、特別支援学校、全部教員は同じ給料にしないとだめだろうと思っています。そして、今は専門的な免許がなくても手当は特別支援学校も学級もいただけるわけですが、これも免許を持っている人がもらえて、持っていない人はもらえないという、そういうことで良いと思います。
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第16回
【大南委員 全国特別支援教育推進連盟副理事長】
どうしても小学校、中学校の通常の学級へという方の多くは、特別支援学校も特別支援学級も御覧になっていない方がかなり多い。ですから、ここのところをどのように表現をしたらいいのか、ただ、情報提供を拒んでいる人たちにどういう対応をしていくか、ここが就学相談の私はやはり一番大変なところではないかと思います。
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
そこで特に学校を拠点とした地域づくりによるインクルーシブな社会の実現において、地域社会における特別支援学校の役割というのは、明確に示されるだろうと思いますし、我々も今後特別支援学校が地域社会にとってどのような役割を果たしていくのか、そのあたりはしっかりと考えて、学校づくりをしていかなければいけないと思います。そのことによって共生社会の実現に特別支援学校も寄与すると考えたいと思っております。
【品川委員 教育ジャーナリスト】
特別支援学校や学級に在籍する子どものなかにも問題行動を取る子はずっと単独にし、ニーズに対して適切に指導しないというかできないというようなところも知っておりますので、特別支援教育における生徒指導ということも、これから大きな課題になるのではないかと考えています。
【河本委員 全国特別支援学級設置学校長協会会長】
この部分を読んでみると、どうも特別支援学校の方に、何かウエートが行っているような気がして仕方がありません。特別支援学級設置校のひがみかもしれませんけれども、特別支援学級設置校は約2万2,000校ぐらいありますけれども、通常の学級のお子さんと、それぞれの学校の中の特別な支援が必要な、特別支援学級に籍を置いているお子さんとの交流及び共同学習ということが見えるような形で、文言をつけ加えていただきたいという感じがいたします。
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
特に知的障害の特別支援学校においては、教室不足が非常に深刻です。それは早急にあらゆる手を使ってでも、改善すべきことだということですが、各地方自治体においては、それぞれ努力をしています。それも分かっていますが、努力をしたら、さらにまた増えていくという、追いつかないという現状があるということです。そこも是非基礎的環境整備の基礎なのだということを認識したいというのが1点です。
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第17回
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
障害のある子どもが地域社会の中でと書かれて、積極的に活動し、その一員として豊かに生きることができるようというようなことが書かれておりますが、これを実際に推進していく役割は、特別支援学校もそうですし、特別支援学級設置校もそうですし、通常の学校もそうですし、また、地域のいろいろな関係機関も一緒になってやっていくというような読み取りを私はしたいと思います。そして、そのことによって初めて、可能な限り共に学ぶことができるような地域社会ができていくと解釈したいと思います。なにも特別支援学校のセンター的機能だけではないということを意見として言いたいということが、1点です。
【河本委員 全国特別支援学級設置学校長協会会長】
私も学校教育の中でインクルーシブな考え方を定着させていくために一番重要なのは、今のこの学校教育の中に更に内容的な変更というか、内容的なプラスにしなければならないものというのはかなりあると思っております。
学校教育の中身をもう一度検討していく必要があると感じました。
【大江委員】
特別支援学校や特別支援学級の教員が研修を受けるならば、それはそれで構わないと思いますが、通常学級の教員が数回の研修でそういう力がつくかというと、甚だ疑問です。
特別支援教育については研修内容と実践が結びつかない可能性がある。そうしますと、このインクルーシブ教育の実施のために教員の資質の向上を図るならば例えば教員は教員異動において一定期間特別支援学級や学校に勤務をするとか、あるいは任用の段階で勤務をするとか、研修と実践が結びつくような対策が必要ではないのかと思っております。
【宮﨑委員長 東洋大学文学部教授】
特別支援学校間の連携というのはすごく重要だということを私もわかっているのですが、もう一つ、改めてこのインクルーシブ教育システムを構築するときの特別支援学校のセンター機能というのは、これまでのものと同じでいいのかという問題があります。
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第18回
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
特別支援学校は、これまで蓄積してきました専門的な知識や技能を生かし、地域の特別支援教育のセンターとして、小・中学校等に在籍する教育上特別な支援を必要とする子どもに関して、必要な助言、援助を行うということが法律にも決められていまして、そのセンター的機能の役割をこれから果たしていくことが特別支援学校としても重要な責務であると考えております。
就学支援における特別支援学校の役割ですが、就学相談というものがありますけれども、今後は特別支援学校としても教育内容・方法、合理的配慮、それに基づく教育支援計画等についての説明をしていくことが必要ではないか、そのための専門性のある教員の配置が必要だと考えております。
特別支援学校の専門性を生かして、指導内容・方法、教材などの情報を提供することが重要であると考えております。
【大南委員 全国特別支援教育推進連盟副理事長】
例えば視覚障害が中心の特別支援学校がセンター的機能を発揮していく場合と、知的障害の特別支援学校がセンター的機能を発揮していく場合に、ずれが出てくる。これは、もう既に小・中学校から指摘されているところです。ですから、特別支援学校間の連携・協力、むしろ情報交換を適切に行うということを、私は是非加えていかなければと思います。
【太田委員 品川区立鈴ヶ森小学校長】
特別支援学校にいる子どもではなくて、籍とすると小・中学校にいる子どもが、今、特別支援学校の倍近くの特別支援教育の対象になっているということを、もう一度、改めて私も痛感したわけです。それについて、小・中学校の担当者の意識を一層高めていく、さらにインクルーシブ的な教育システムの構築が入るわけですので、そこをもっと強調した部分が必要かと私は思いました。
【新藤委員 全日本中学校長会会長 全日本中学校長会会長 全国心臓病の子どもを守る会会長】
特別支援学校の中に「発達障害系の通級学級を持つなど」というような例示を入れていただくと、具体的になるかと思います。と申しますのは、私どもは通級学級を普通の小・中学校に持っていますけれども、そこの学校独自で、あるいは教育委員会の指導のもとに専門性を持つことはが難しい。ですが、特別支援学校ですと、教員免許状の問題、研修の問題等々で、そのノウハウを培っている先生たちが多くいらっしゃると思っております。
【貝谷委員日本筋ジストロフィー協会理事長】
特別支援学校には少なくとも医学的な専門家が1人はいる必要があるだろうと思います。
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第19回
【尾崎委員 全国特別支援学校長会会長】
特別支援学校の役割と機能が非常に明確に示されたということで、感謝申し上げます。
センター的機能を果たす上で、学校間の連携というのを、特別支援学校ネットワークということで、地域の中で特別支援学校がネットワークを作ってセンター的機能を果たしていくという方向は、我々特別支援学校長会でも考えてはいたことなのですが、ここは明確に示されたということで、それに向けて取り組んでいきたいと考えます。
それと同時に、特別支援学校における特別支援教育コーディネーターの役割についても明確に触れていただき、そして複数指名されるとともに、その機能強化のための人的措置が重要であるということで、明確に今言っていただいたことには大変感謝をしたいと思います。
交流及び共生学習についてこの報告書でも幾つか述べられているのですが、特別支援学校が主語となる交流及び共同学習についてはちょっと不十分な面があったところを補足していただきました。特別支援学校としても、きちっと教育課程に相手の学校と連携、連絡をとりながら位置付けるということを計画的にやっていかないと、これは実現するものではありませんので、そのあたりも明確にされたということで、そういう方向で今後取り組んでいきたいと思います。
【石川委員長代理 静岡国際大学国際関係学部教授】
その地域の学校と特別支援学校の連携を適切にやっていくというのが、この委員会の基本的な考え方として結実していったような感じがしております。
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