子どもの輝く未来のために
子どもの輝く未来のために
~幼稚園・保育園等の保護者のための小学校生活紹介~
編集・発行
平成29年1月改訂版
羽村市教育委員会 羽村市小中学校校長会
はじめに
小学校入学を控えた子どもたちは、1年生になる期待に胸を膨らませています。一方、未知の世界に踏み出す不安や戸惑いは子どもだけでなく保護者の方も感じていることでしょう。
幼稚園・保育園等では遊びを中心とした生活であったのに対して、小学校は勉強が中心となり、生活集団も大きくなります。
このような生活の変化に子どもが戸惑わないだろうか、学習面でついていけるだろうか、できるだけ早く「読み書き・算数」を教えた方が良いだろうかという心配の声を、入学を控えた保護者の方から多く聞きます。また、我が子が「いじめ」にあうのではないかと不安になっている方もいます。
羽村市教育委員会では、このような不安の解消に役立てていただきたいと思い、本冊子を作成しました。
子どもたちが、小学校生活に1日でも早く慣れ、円滑に楽しい生活を送ることができるように、お子様が初めて入学される方、すでに入学されたお子様がいる方にもお読みいただいて、参考にしていただければ幸いです。
羽村市教育委員会
Ⅰ 幼稚園・保育園等と小学校とのちがい
1 自分がやりたい活動から決められた活動へ
子どもの興味関心に合わせて活動時間を調整してきた幼稚園・保育園等と違い、小学校では45分単位の時間割に従って各教科等の学習が行われます。
また、砂場や園庭等で全身を使った遊びの多い幼稚園・保育園等に比べ、小学校では机に向かい椅子に座って話を聞く活動が多くなります。
小学校では、「姿勢を正しくして座っていられる力」「集中して話を聞く力」が大切です。
2 限られた時間で次の行動へ
時間割で動く学校生活は、限られた時間で次の行動に移ります。
小学校では、次は何をするのかを意識して、「次の活動の準備が自分でできる力」 「自分の持ち物を片付ける力」 等が大切です。
1日のながれを比べてみると
- 小学校の授業は45分間です。
- 多くの学校で、次の授業の準備時間を5分にしています。
○○小学校の1日の例>小学校によって生活時程や時間割は異なります。
【例】
小学校 | 幼稚園・保育園等 | |||
---|---|---|---|---|
児童登校 | 8:00~8:15 | 早朝保育 | 必要に応じて | |
児童朝会 | 8:20~8:35 | |||
1時間目 | 8:40~9:25 | 登園 | 9:00 | バス・徒歩 |
移動・準備 | 9:25~9:30 | 自由活動 課題活動 |
9:00~12:00 | 遊びを通して様々な能力や態度を育てる。 |
2時間目 | 9:30~10:15 | |||
中休み | 10:15~10:35 | |||
3時間目 | 10:35~11:20 | |||
移動・準備 | 11:20~11:25 | |||
4時間目 | 11:25~12:10 | |||
給食(準備・食事・片づけ) | 12:10~12:50 | 昼食 | 12:00 | 弁当や給食 |
昼休み | 12:50~13:05 | 1日のまとめの活動 | 13:00 | 午後の遊び すいみん |
清掃 | 13:10~13:25 | |||
5時間目 | 13:25~14:10 | 降園 | 14:00 | バス・徒歩 |
児童下校 | 預かり保育 | 必要に応じて |
3 慣れ親しんだ友達から、さまざまな幼稚園・保育園等出身の子どもたちとのかかわりへ
小学校には多くの幼稚園・保育園等から子どもたちが入学してきます。遊び方やルールも違います。新しい友達との仲間づくりをしていきます。
小学校では、すすんであいさつをする、みんなの前で話す、相手の話していることを受け入れる等、友達との接し方や社会性を身に付け「仲良く遊ぶ力」「協力する力」 等が大切です。
4 親の送り迎えから友達との登下校へ
入学前に通学路の安全確認を行ってください。指定された通学路を通って子どもだけで登下校をします。学童クラブ(学童)に通う子は、学校から学童へ行き、保護者のお迎えで帰ります。
小学校では、特に「危険な場所には行かない。」「知らない人には声をかけられてもついていかない。」など、安全な生活に必要な習慣や態度が大切です。
羽村市における安全・安心対策について
羽村市では地域の犯罪防止や通学路における子どもたちの安全確保のため、さまざまな取り組みをしています。
1 安全安心 パトロール
市民や事業者などの協力で学校と地域・関係機関等とのネットワークを作り、パトロールを実施しています。
2 地域安全マップ
学校では、授業の一環として通学路などでの交通事故被害の防止と犯罪に遭う機会を減らすため、危険な場所、犯罪が起こりやすい場所、緊急時に避難できる交番や駐在所、子ども避難所などを掲載した「地域安全マップ」を作成しています。
3 防犯ブザー
学校の安全管理と児童の防犯・防災の視点を踏まえ、入学時に防犯ブザーを貸不しています。
4 羽村市メール
子どもに関する犯罪・不審者情報などを配信しています。
(登録 hamura@entry.mail-dpt.jpへ空メール送信)
5 子どもかけこみ110番
子どもたちが通学時などに、被害に遭う恐れがある場合に、一時的に駆け込める場所です。保護者・商店・事業所などのご協力により登録いただき、プレートの掲示をしています。協力者には子どもたちが助けを求めてきた時は、安全の確認ができるまで保護いただき、110番・119番、学校・家庭への連絡をお願いしています。
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Ⅱ 入学までに育てたい力
入学後、小学校では教科(国語や算数など)の学習へ入る前に、子どもが楽しく、安心して学校生活を送るための基礎となる生活のことから指導が始まります。次のことは、落ち着いて学習できるための基礎として、学校でも入学当初指導しますが、家庭でも入学までに身に付くよう心がけておきましょう。
1 言えますか
(1) 自分の名前を言え、呼ばれた時には返事ができますか。
幼稚園・保育園等では「花子ちゃん」「花ちゃん」など名前や愛称で呼ばれていましたが、小学校では「○○花子さん」や「○○さん/くん」と姓名や姓で呼ばれることが多くなります。呼ばれた時に困らないように、自分の名前を「○○花子です。」と言えるようにしましょう。呼ばれた時は「はい」と返事ができるようにしましょう。
(2) 思ったことを相手に伝わるように言えますか。
「トイレに行きたい」「けがをした」「やめて」等の思いを、しぐさやつぶやきだけで表していませんか。大きな集団になると、言葉で表現しないとなかなか相手に伝わりません。自分がしたいことや困ったことなど言葉ではっきり言えるようにしましょう。
(3) あいさつを自分からしていますか。
「おはようございます。」「いただきます。」「ごちそうさま。」等、自分からすすんで言っていますか。あいさつはコミュニケーションの第一歩です。「ありがとう。」「ごめんなさい。」等も、言えるようにしましょう。
子どもに無理に言わせるのでなく、家の人たちが率先してあいさつをしてみせることを心がけるとよいでしょう。
2 聞けますか
(1) 話を最後まで聞いていますか。
相手の話の途中で話し始める、最後まで聞かずに他のことに気が散ってしまう等の様子はありませんか。話す人を見て、黙って最後まで話を聞けるようにしましょう。
(2) 幼稚園・保育園等からの連絡を聞き、親に伝えていますか。
その日に幼稚園・保育園等であったことや連絡などを、家に帰ってから家の人に話したり伝えたりしていますか。小学校では子どもを通して家庭への連絡が多くなります。翌日の学習準備としても「伝える」ことは大事です。家庭では聞いたことを伝えられるように子どもの話をゆっくり聞いてあげるとよいでしょう。
3 できますか
(1) 鉛筆を正しく持ち、自分の名前がひらがなで書けて読めますか。
ロッカー・靴箱などに、幼稚園・保育園等では個人名のほかにマーク等で場所を表示していますが、小学校では名前が書かれています。また、学習プリント等に名前を書くことも多くあります。ひらがなをすべて覚えておく必要はありませんが、鉛筆を正しく持ち、自分の名前が書けて読めるようにしておくとよいでしょう。
(2) 前と後ろ、右と左、上と下の区別ができますか。
家庭では「赤い箱の上、椅子の横」など具体的なものをあげて場所を示すことが多くありますが、学校では、「前から3番目、右から2番目」等の指示が多くなります。位置を示す言葉や「元の入れ物にもどす」「靴を揃えて脱ぐ」などもわかるようにしておくとよいでしょう。
(3) 自分の持ち物の整理整頓ができますか。
幼稚園・保育園等では手伝ってもらえたことも、小学校では自分でします。ランドセルからの道具の出し入れ、机の中の整理、傘をたたみ巻いて止める、ランドセルを背負ってレインコートを着る、ランドセルカバーをかける等一人でできるようにしておくとよいでしょう。
(4) 衣服の着替えなどスムーズにできますか。
幼稚園・保育園等では座ってゆっくりやっていたことが、小学校ではある程度の時間内で終わらせることも必要になります。体育着の着替えは、5分の休み時間内で行います。脱いだ衣服をたたむ、ズボンや靴の履き替えが立ったままでできるようにしておくとよいでしょう。
(5) 用便の始末や和式トイレで用をすませることができますか。
入学当初、下着を全部脱がなくては用が足せずに困っている男児を見かけます。用便後の後始末がうまくできないため、学校のトイレに行きたがらない子どももいます。全部脱がなくても用が足せる、自分でトイレットペーパーを使って後始末をする、トイレから出たら手を洗うなどができるようにしておきましょう。
小学校では「洋式トイレ」もありますが、まだ「和式のトイレ」が多いです。機会をとらえて、「和式トイレ」に慣れることや水道の蛇口を閉めるなどの扱いも、できるようにしておくとよいでしょう。
(6) 正しい持ち方でお箸を使いこぼさずに食べられますか。
給食はご飯またはパン、おかず、果物と、牛乳は毎食200mlという献立が中心です。学校では一人ひとりの子どもの様子を見て楽しい雰囲気の中で食事ができるよう、細かな配慮をしています。ご飯の時は箸を使います。スプーンは使いませんので、箸でこぼさず食べられるように練習しておくとよいでしょう。また、手で牛乳びんのふたをあけることになります。食事の時間は、約25分が目安になっています。
※アレルギー症状がある場合は必ず医師と相談の上、学校と連絡を取ってください。
- 給食費について
- 毎月、食材費のみを保護者預金口座振替となりますので、未納にならないようにご注意ください。
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Ⅲ 身に付けておきたい基本的な生活習慣
入学後、緊張や生活リズムが大きくかわることから、5月ごろになると、疲れがたまって熱を出したりします。学校生活をスムーズに送るためにも、早寝早起きなど基本的な生活習慣を身に付けておくことが大事です。入学を機会にもう一度身に付いているか見直し、一人でできるようにしておきましょう。
- (1) 早寝・早起きをする。
- (2) 毎朝一人で顔を洗う。
- (3) 朝ごはんをしっかりたべる。
- (4) 食事前に手を洗う。
- (5) 朝食後・夜寝る前は、歯を磨く。
- (6) 用便後手洗いをする。
- (7) 清潔なハンカチを身に付ける。
- (8) 着替えたものを自分でたたむ。
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Ⅳ 就学までの流れ(学区は指定校制です。)
羽村市では、義務教育9年間を通して人間力や社会力を育てる「小中一貫教育」を展開しています。このため、住所地により通学区域を設けて、就学すべき学校を指定しています。(これを指定校といいます。)詳しくは教育委員会学校教育課学務係へ
1 10月初頃に就学時健康診断通知書が届きます。
就学予定の子どもの家庭には、入学する前年の10月初頃に「就学時健康診断通知書」が届きます。指定された小学校で受診してください。治療の必要があるときには、入学前までに医師とご相談のうえ、適切な処置を受けてください。
2 1月末頃に就学通知書が届きます。
1月末頃、教育委員会から「入学期日及び学校指定通知書」という就学通知書が送付されます。就学通知書が届かないときは教育委員会学校教育課学務係へ問い合わせをしてください。就学通知書は入学式当日小学校へ持参してください。
3 1月末から2月頃に入学のための説明会が各小学校で開かれます。
説明会では入学にあたっての諸準備について基本的なことをお話しします。入学式についての説明もあります。用品の準備は学校によって多少の違いがありますので説明会でよく聞いてから整えるとよいでしょう。
4 就学援助制度があります。
(1) 就学援助制度
経済的な理由で教育費の支出が困難なご家庭に対して、学用品や給食費などについて援助をしています。対象となるご家庭は、羽村市に在住する生活保護受給世帯及び生活保護は受けていないが前年所得が一定基準額未満で教育費の援助が必要なご家庭です。詳しくは 教育委員会学校教育課学務係555-1111(内線356)へお問い合わせください。
(2) 就学奨励制度
対象となる方は、羽村市に在住し、市内の小学校及び中学校の特別支援学級に通・在学する児童・生徒のいる世帯で、所得が一定基準以下の方(要保護及び準要保護児童・生徒は除く)です。
学用品・通学用品費、校外活動費、学校給食費 、新入学用品費(小・中学校1年生で4月1日付認定者のみ)、通学費、移動教室費、修学旅行費が援助されます。 詳しくは 教育委員会教育支援課特別支援教育係555-1111(内線373)へお問い合わせください。
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Ⅴ 羽村市の教育
1 幼稚園・保育園等と小学校等との連携
小学校入学前後の移行期が子どもにとって円滑なものとなるために幼稚園・保育園等と小学校・学童クラブとの連絡会を全小学校で行っています。連絡会では、教諭・保育士・学童保育員が園児や保護者の不安に応えるための学校体験、学校給食体験、学校行事への参加、異年齢児との交流等について意見交換をして実施しています。
2 小学校と中学校の連携
羽村市では中学校地区ごとに小中一貫教育校を推進し、いきいきと子どもが輝く学校教育の実現をめざしています。
平成24年度に全ての小中学校が小中一貫教育校となりました。
羽村市の小中一貫教育
既存の小・中学校を存続させた形で、児童・生徒は現在の小・中学校に在籍しながら現行の6・3制のもとで、児童・生徒の実態に即した弾力的な指導を行います。9年間の一貫カリキュラム(指導計画)に基づき、系統性を意識した学習を行い、学力の向上を図るとともに、特色ある学習として、小学校1年生からの英語教育、郷土学習(羽村学)、キャリア教育(人間学)を行っています。
3 多様なニーズに応じたきめ細やかな特別支援~インクルーシブ教育システムの構築を目指して~
羽村市では、特別な支援が必要な全ての児童・生徒に対して様々な学びの場の整備と学校間連携を進めています。
(1) 教育支援課での支援
●発達や就学についての相談
教育支援課では、発達相談員、就学相談員が、お子さんの発達、身体、生活面で課題を感じたり、教育について不安を感じたりしている方の相談を行っています。お子さんの健やかな成長のために、都立特別支援学校や特別支援学級への就学や転学、特別支援教室への入室等、ニーズに応じた相談を行っています。
●教育についての相談
教育相談室の心理の専門家の相談員(臨床心理士)が、保護者やお子さん自身の相談に応じています。学校生活、性格や行動、子育てに関すること等、お子さんの教育に関するさまざまな悩みや困りごとについて、よりよい解決をしていくために一緒に考えていきます。(要予約)
教育相談室O42-554-1223
月~金(祝祭日除く)午前9時~午後6時
来室相談・電話相談があります。
(2) はばたきファイル「就学支援シート」を使った支援
はばたきファイル「就学支援シート」は、コミュニケーションがうまくとれない・こだわりが強い・ことばの理解が難しい等、個別の支援が必要なお子さんの場合、小学校の生活を楽しく円滑にスタートできるよう、家庭や、幼稚園・保育園等で配慮してきた事や生活の様子を小学校に引き継ぐためのものです。小学校では、このシートの活用を通して具体的な支援を検討します。
(3) 小学校での支援
子どもが安心して学校生活を送れるように、教育相談員スクールカウンセラーが相談を受け、支援を行っています(週2日)。さらに、家庭への支援が必要な場合は、スクールソーシャルワーカーも他機関と調整を図って支援を行います。一人ひとりに応じた指導が必要な場合は、特別支援教室や特別支援学級があります。入室や入級はお子さんが入学した小学校と保護者が話し合ってから相談をすすめます。
はばたき教室(特別支援教室)
知的な遅れはないが、発達障害、情緒面、学習面において支援が必要なお子さんについて、通常の学級で授業を受けながら、巡回指導教員により一部特別な指導を行います。
特別支援学級
知的障害学級と自閉症・情緒障害学級があります。支援が必要なお子さんの個別ニーズに合わせた少人数の指導を行います。
詳しくは教育支援課555-1111(内線373)へお問い合わせください。
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Ⅵ 学童クラブ
学童クラブは、小学校低学年の児童の保護者が働いている、または病気などの理由で家庭においてお子さんを支援できない場合に、保護者に代わって支援をする施設です。12月上旬ごろに次年度の入所申し込みの受付を開始します。
1 開所時間
(1) 通常指導時間
- 月曜日~金曜日:下校時から午後6時
- 土曜日及び長期学校休業期間等:午前8時から午後6時
(2) 延長指導時間
- 月曜日~金曜日:午後6時から午後7時
- 土曜日及び長期学校休業期間等:午後6時から午後7時
育成料とは別に延長育成料が必要です。
2 休所日
日曜日、国民の祝日、年末年始(12月29日~1月3日まで)
3 費用
- (1) 育成料4,000円/月*減免制度あり
- (2) 延長育成料200円/回1,500円/月
- (3) おやつ代1,500円/月
4 その他
詳しくは子ども家庭部児童青少年課555-1111(内線262~264)へお問い合わせください。
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